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社会・文化

「横浜カジノ」に燃える強欲者たち

官邸と「パチンコ人脈」の深謀

2019年10月号

「関東のカジノ誘致を巡って、政界、財界ともに水面下での駆け引きが本格化している」
 統合型リゾート(IR)の状況に詳しい、観光業界関係者はこう語る。関東で真っ先に立候補表明をした横浜の背後ではさまざまな思惑が交錯している。かつてはトップランナーだった東京や千葉も色気を見せているというが、鍵を握るのはやはり稀代の策士官房長官だ。

突如浮上した「セガサミー」

 九月二十日、横浜市議会はIR誘致のための調査費を含んだ補正予算案を可決した。市議会周辺には「カジノ反対」を訴える市民が集まり、一種異様な雰囲気に包まれた。八月二十二日に誘致表明会見をした直後に、林文子市長が書類を放り投げたと見えるシーンがテレビで繰り返し放映され、市民感情は悪化の一途を辿っている。解職請求の動きさえ顕在化する中でも、林市長が強引にIR誘致を進めざるをえないのはなぜか。
「市議会で賛成した自民系議員はほとんどすべてが菅義偉官房長官派。誘致のタイムリミットが迫る中で、林市長が菅さんの意向に逆らえるはずもなかった」
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