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プーチン「堕ちた独裁者」の窮状

朽ちるロシアで「巣ごもり」の日々

2021年1月号

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、いったいどこにいるのだろう?
 ロシア国民が新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむ中、大統領はテレビ会議による統治をひたすら続けている。
 旧ソ連での急激な変化の時と同様に後手後手の状態で、「プーチン政権は、内外情勢についていけなくなった」との懸念が強まっている。ロシアでは、「モスクワ郊外の大統領公邸と全く同じ部屋を作って、黒海沿いの保養地ソチに閉じこもっている」というスクープも現れた。

弱まる内部掌握力

 ロシアの年末には、大統領が必ず姿を見せるイベントがある。内外記者団を一堂に集めて、大統領が数時間にわたり、あらゆる質問に答える「年末記者会見」だ。
 二〇二〇年も十二月十七日に行われたが、大方の予想通り、テレビ会議形式だった。プーチン氏は「モスクワ郊外」から会見に臨んだというが、これが疑わしい。
 スクープ情報が売り物のニュースサイト「プロエクト」によると、プーチン政権は密かに、一四年の冬季五輪開催地ソチに、モスクワ郊外のノボ・・・