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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》コロナ「尾身茂」という国難

日本迷走の諸悪の根源

2021年6月号


 尾身茂・新型コロナウイルス(以下コロナ)感染症対策分科会会長が「大活躍」だ。五月十四日に、分科会は緊急事態宣言の発令に及び腰な政府案を覆し、北海道、岡山、広島の三道県を追加させた。「追認決別 動いた専門家」(朝日新聞五月十五日)。政府には厳しいメディアも尾身には好意的だ。
 東京五輪と経済を優先し、国民の命は二の次の菅政権と対峙する「英雄」。尾身は脚光を浴びている。日本テレビは三月一日『近未来創世記 日本を救うヤバイ偉人』で尾身の半生を再現ドラマで紹介した。
 残念ながらこれは虚像だ。尾身は「偉人」でもなんでもない。医師としての経験も学者としての発表論文数も乏しい元医系技官で、「厚労省の意向に忠実な御用学者」(厚生労働省関係者)。「尾身分科会会長」は、わが国のコロナ対策の迷走を象徴している。

PCR検査「抑制」の重い罪

 まず尾身の経歴から見てみよう。特筆すべきは一九九〇年から二〇〇九年まで世界保健機関(WHO)に勤務し、西太平洋地域のポリオ根絶に貢献したことだ。〇六年には西・・・