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連載

皇室の風 159

試金石
岩井 克己

2021年11月号

「眞子が十四、五歳になってから『あなたが天皇に』などとはとても言えません‥…」
 美智子皇后(現上皇后)がつぶやいたと側近から聞いたことがある。愛子内親王も悠仁親王も生まれる前、宮内庁が皇位継承問題を研究し始めた頃で、当時は「女性天皇」候補の筆頭は眞子内親王だった。
 その内親王が「小室眞子」として米国へと去る。儀式も一時金も辞退という異例の結婚という形で。
 小室家の金銭トラブルなどの浮上で激しい反対や中傷を浴び、国民への説明を父から促されて、昨年初めに宮内庁参与らを個別に呼んで本人が示した「お気持ち」表明文の原案の内容には、当時は心底驚いた。
 ①年内に入籍します。納采など結婚関連の儀式・行事など一切やりません②結婚一時金もいただきません③関係者に感謝します。
 思いつめた様子に参与らは「ご両親がどんなお気持ちでおられるのか、よくご相談を」などと助言。二回目の意見聴取では、かなり和らいだ様子だったといい、また原案の内容も表に出なかった。だから「遠からず思いとどまるだろう」と推移を見守った。特に一時金については「辞退は筋・・・