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政治

岸田自民に「カネの大醜聞」

解散絶望「政権瓦解」の剣ヶ峰

2023年11月号

 国際会議や皇室行事など動かせない日程を把握し、政策の効果が出る時期から法案提出の時期を逆算し、勝負所を探る。政権運営の要諦である「政治カレンダー」が、発足二年が過ぎた岸田文雄政権には描けない。行き当たりばったりで右に左にぶれる癖は秋の臨時国会でいよいよ顕著で、冒頭の衆議院解散による「スキャンダル隠し」の目論見もあえなく潰え、政権の行方には暗雲が漂っている。
 十月二十三日の所信表明演説で岸田は、「経済、経済、経済」と連呼し、「現世代の努力によってもたらされた成長による税収の増収分」を「公正かつ適正に『還元』」するとして、時限減税の方針を示した。有権者に迎合する言葉に溢れた演説は、岸田が会期中の衆議院解散の選択肢を捨てていないことの証左だが、冒頭解散を進言していた自由民主党の幹部らは、原稿を棒読みする岸田を冷ややかに見つめていた。
 政治カレンダーは、政策実現のスケジュールばかりが描かれているわけではない。政権の火種を消すか、燃え上がらせるかの臨界点の見極めも欠かせない。
 報道各社の毎月の世論調査で内閣支持率が低迷していたにもかかわらず、与党内で「秋の臨・・・

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