米国のドナルド・トランプ前大統領が、今月から始まる米大統領選の党員集会・予備選で、圧勝に向かっている。
　世論調査では「ライバル不在」の状態で、二○二四年十一月五日の大統領選は、ジョー・バイデン大統領（民主党）との再戦になる。
　前大統領は一七～二一年の在任時には、国際ルール無視を繰り返したり、大統領選挙の結果を覆そうと直接行動を呼びかけたりして、米国の民主政治に大きな打撃を与えた。ルール無視の外交政策には、日本や欧州連合（ＥＵ）など同盟諸国が振り回された。
　トランプ氏は最近、ホワイトハウスに戻った時には「就任初日に独裁を敷く」と述べたほか、ファシズム的政治への共感を表明するなど、「独裁者になる」ことを公言している。世界各地で独裁的な政治勢力が台頭する中で、民主主義陣営のリーダーである米国に、暗愚な独裁という巨大な暗雲が押し寄せている。

政策の最優先課題が「復讐」

「二〇二四年は最終決戦だ。我々が勝利しなければ、この国はもうおしまいだ」
「ジョー・バイデンの一家は犯・・・