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政治

高市の世でも続く「ぬるま湯農政」

食料安全保障は「なおざり」に

2026年3月号

 2009年夏の衆院議員選挙で大敗、下野した自民党の与謝野馨元官房長官は、当時初当選だった齋藤健元経済産業相にオランダ政界の調査を命じた。同国のキリスト教民主勢力は、党名や連立相手を変えながら76年間も与党として君臨、1994年に下野したが8年後に政権に復帰した。長期政権の敗退と復活の経緯を調べ自民党の再生の参考にするのが狙いだった。
 調査の要点は「ポピュリズムに対応しなければ選挙には勝てない」「政治家自身が魅力的な人間でなければ票はとれない」の2点だった。経済産業省のエリート官僚から転じた齋藤氏自身、2006年の衆院選で若い女性候補に敗北、落選しており「ポピュリズム」の恐ろしさを体験している。調査内容によほど説得力があったのか、与謝野氏は10年4月に新党「たちあがれ日本」を結党、自民党を除名され、翌年には新党を離脱、菅直人内閣の経済財政担当相に就任し民主党政権に参画、死去直前に自民党に復党した。
 ポピュリズムは「大衆迎合」と和訳され、支配層である政治エリートが大衆に安易に妥協するという上から目線の含意があるが、情報のデジタル化と多元化が進展した今や、意味が大き・・・

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