教皇死去「バチカン」の闇と苦悩
カトリック教「路線対立」が激化
2025年5月号
フランシスコ・ローマ教皇の死去を受け、新たな教皇を選ぶ選「コンクラーベ」が始まる。ローマ・カトリック教会は近年、アフリカ大陸やアジア各地で信者数を伸ばしているだけに、フランシスコ教皇(アルゼンチン人)に続いて、「非ヨーロッパ人教皇」を望む機運も強まっている。
カトリック教会の保守派は、リベラル姿勢が強かったフランシスコ教皇の後で、人工妊娠中絶問題などで巻き返しを図る方針だ。その一方で、聖職者による大規模な性的虐待事件など、「教会の闇」問題は未解決。本命不在の乱戦模様である。
前教皇派と保守派の角逐
次期教皇は、かつてない逆風の中で、教会内部の各種旧弊とも戦わなければならない。世界中のカトリック教徒にとって、緊張の時が始まった。
世界のカトリック教徒は12億~13億人とされ、ざっと「15億~16億人」とされるイスラム教徒と並ぶ巨大宗教勢力だ。キリスト教の2千年に及ぶ歴史で、266人の教皇を輩出した。歴史的にイタリア人が217人と圧倒的に多いが、最後のイタリア人教皇はヨハネ・パウロ1世・・・
カトリック教会の保守派は、リベラル姿勢が強かったフランシスコ教皇の後で、人工妊娠中絶問題などで巻き返しを図る方針だ。その一方で、聖職者による大規模な性的虐待事件など、「教会の闇」問題は未解決。本命不在の乱戦模様である。
前教皇派と保守派の角逐
次期教皇は、かつてない逆風の中で、教会内部の各種旧弊とも戦わなければならない。世界中のカトリック教徒にとって、緊張の時が始まった。
世界のカトリック教徒は12億~13億人とされ、ざっと「15億~16億人」とされるイスラム教徒と並ぶ巨大宗教勢力だ。キリスト教の2千年に及ぶ歴史で、266人の教皇を輩出した。歴史的にイタリア人が217人と圧倒的に多いが、最後のイタリア人教皇はヨハネ・パウロ1世・・・