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イラン「転覆工作」は止まらない

モサド「ハメネイ打倒」の執念

2025年7月号

 イスラエルとイランはひとまずの停戦には合意した。しかし、これから待ち受けるのは平和ではない。危険な休止だ。イスラエルは、次の一手へと動き出している。
 6月13日未明、イスラエルによる短時間の攻撃で、イスラム革命防衛隊の司令官を含む十数人の高官と少なくとも6人の核科学者が殺害された。イラン国家は、制度的な崩壊へと確実に歩み始めている。イラン国内は、すでにイスラエルの監視下にある。イスラエルがこのまま手を止める理由はない。次なる標的は、イラン国内を内側から揺さぶる体制転換―つまり、徹底した転覆工作だ。
 今回のイスラエルの攻撃ではイランの防空網はほぼ無反応で、軍幹部も「既存の防空網が作動したのは攻撃から半日後だった」と愕然として語った。
 その直後、イスラエル側はイラン国内の内部協力者がドローン発射装置を設置する映像を公開した。イランの中枢にまで深く入り込むイスラエルの諜報機関、モサドの諜報網、そして現地協力者が組織的に作戦を遂行する姿に、イラン幹部は動揺を隠せなかった。
 さらに、イスラム革命防衛隊諜報機関長のモハマド・カゼミ准将も暗殺された。・・・

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