中国「電子立国」の虚構と限界
「世界最先端」が遠ざかる窮状
2025年7月号
電子機器、人工知能(AI)など中国のICT産業の進化が加速しているとのイメージが世界に広がっている。半導体では回路線幅7ナノメートル(㎚)を達成、露光装置や成膜工程など生産設備の国産化も急進展しているとの情報が拡散された。一方で、AI用の米エヌビディア製半導体や米欧日の製造設備の不正調達も相次ぎ発覚している。注目のAIも、世界に衝撃を与えたDeepSeekやその他の中華AIが、実は米国製AIの成果に大きく依存していることが指摘された。実態のない過大宣伝で技術優位性を誇示し、取引材料にする習近平政権の本質を見抜く必要がある。
「ファーウェイの半導体は単一でみれば依然として米国の一世代遅れにすぎない」。6月10日に掲載された中国共産党機関紙、人民日報のインタビューで、ファーウェイの創業者である任正非会長はこう語った。半導体の一世代前とは通常3年の遅れを指す。トランプ政権や米メディアが最近になって再び流し始めたファーウェイ脅威論を打ち消す狙いがある。
米国が警戒心を高めたのはファーウェイが5月に市場投入したAI用半導体「アセンド910C」がエヌビディアのAI用先端半導・・・
「ファーウェイの半導体は単一でみれば依然として米国の一世代遅れにすぎない」。6月10日に掲載された中国共産党機関紙、人民日報のインタビューで、ファーウェイの創業者である任正非会長はこう語った。半導体の一世代前とは通常3年の遅れを指す。トランプ政権や米メディアが最近になって再び流し始めたファーウェイ脅威論を打ち消す狙いがある。
米国が警戒心を高めたのはファーウェイが5月に市場投入したAI用半導体「アセンド910C」がエヌビディアのAI用先端半導・・・