三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

政治

石破が吹かす「解散風」

支持率上昇で「暴発」もあり得る

2025年9月号

 何度も歴史的使命を終えたと言われながら曲芸的な延命を繰り返し、やがてライバルも協力者も弱らせる。自由民主党はいつもそうだった。小党や野党第1党に抱きつき、命運尽きるとみるや非主流派の異端児が党内対立を見世物にする。国政選挙で敗れた党総裁で総理大臣の石破茂が退陣を拒み続け、誰も見たくない「伝家の宝刀」を懐に唯我独尊のドタバタ劇を演じるのも、老舗政党の新たな芸風と見た方がいいかもしれない。
 週末の東京都心でものものしい警備が展開された8月23日、韓国大統領・李在明との首脳会談を終えた石破は満面の笑みを報道陣に向けた。
 石破が「日韓首脳のシャトル外交が再開されたことを歓迎する」と述べると、李は「石破総理との絆と信頼関係が築かれた」と応じた。
 次は石破が韓国を訪問する順番であることが当然のように確認される様子からは、石破が7月の参議院議員選挙での大敗の責任を取れと突き上げられ、「退陣不可避」と報じられている日常が幻想かと思われてくる。
 前日まで横浜市で開かれた第9回TICAD(アフリカ開発会議)では、石破はアフリカ各国首脳や地域国際機関代表ら3・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます