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日韓関係は「再悪化」の雲行き

「大陸棚協定」という特大の火種

2025年10月号

「庭を共に使う隣人」「切り離すことのできない同伴者」。6月に就任以来、日韓関係をこう表現してきた李在明韓国大統領だが、今の心境は穏やかではないようだ。李氏が8月23日の日韓首脳会談後の共同記者発表で「信頼と絆が強く築かれた」と持ち上げた石破茂首相が退陣を表明したからだ。
 韓国各紙も9月7日の退陣表明から一夜明けた8日、一斉に1面で「石破辞任」について不安を隠せない論調で伝えた。次期首相について、保守系の朝鮮日報は「だれがなっても韓日関係は後退する可能性が大きいとの観測が出ている」と報道。進歩(革新)系のハンギョレ新聞も「退陣で今後の韓日関係は影響を受ける」と伝えた。
 韓国メディアが「日韓関係の不安材料」として伝えているのが靖国問題だ。次期首相の有力候補としてみられている小泉進次郎農林水産相と高市早苗前経済安全保障担当相が「終戦の日」の8月15日に東京・九段の靖国神社を参拝したからだ。小泉氏は環境相時代の2020年と21年にも参拝。8月15日の記者会見では「初当選以来、毎年の行動だ」と説明した。高市氏は参拝後、記者団に「尊崇の念をもって哀悼の誠を捧げた」と語った。・・・

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