石破外交「負の遺産」
世界が日本を軽んじた1年
2025年10月号特別リポート
国はたいてい、一人の政治指導者より長生きだ。外交や安全保障政策で「継続性」が強調されるのは、国より早く寿命が尽きるリーダーの独善や想像力の欠如で国を危機にさらさないためでもある。残念ながら9月7日に退陣表明した総理大臣・石破茂は独善も想像力の欠如も克服できず、唯一の同盟国である米国の大統領が「継続性」をほぼ全否定する不幸な巡り合わせがあったとはいえ、深刻な「負の遺産」を残してしまった。
退陣表明から2週間余りが過ぎた9月23日(日本時間24日)、自由民主党が「ポスト石破」をめぐる総裁選のさなか、石破は国連総会の一般討論演説で外交に関する思いを吐露した。
「差別や排外主義を許さない健全で強靭な民主主義」が平和の礎だと訴え、「過去を直視する勇気と誠実さ」「寛容さを持った本来のリベラリズム」が土台だと説いた。1年の間に「90カ国と四つの国際機関」との首脳会談を行ったとも自賛した。
しばらく日本外交の舵取りをする宰相の演説なら、まだいい。昨年の総理大臣・岸田文雄の演説同様、退陣が確定している人物の言葉に力はなく、ニューヨークの国連本部の議場は空席が目立った。・・・
退陣表明から2週間余りが過ぎた9月23日(日本時間24日)、自由民主党が「ポスト石破」をめぐる総裁選のさなか、石破は国連総会の一般討論演説で外交に関する思いを吐露した。
「差別や排外主義を許さない健全で強靭な民主主義」が平和の礎だと訴え、「過去を直視する勇気と誠実さ」「寛容さを持った本来のリベラリズム」が土台だと説いた。1年の間に「90カ国と四つの国際機関」との首脳会談を行ったとも自賛した。
しばらく日本外交の舵取りをする宰相の演説なら、まだいい。昨年の総理大臣・岸田文雄の演説同様、退陣が確定している人物の言葉に力はなく、ニューヨークの国連本部の議場は空席が目立った。・・・