「金相場」はどこへ向かうか
米ドル失墜で「ゴールド」の時代
2025年11月号
重力を失ったかのように金価格の上昇が止まらない。会員制量販店のコストコでは金の延べ棒が入荷するとすぐ売り切れる。最近は「ディベースメント(通貨の価値切り下げ)取引」という言葉が飛び交う。ドルや円など法定通貨の価値下落に備えるように金や暗号資産を買う取引のことだ。皆が金相場のことを話しているのは天井のサインだろうか。金価格の今とこれからを考えたい。
今の上昇相場が始まったのは昨年3月からだ。それまでは1㌉あたり2千~1600㌦付近でのレンジ相場が数年続いてきたが、このレンジを上抜けたのが昨年3月1日。この日を境に次のステージに入り、10月には4千㌦を突破し、1年8カ月ほど上昇相場が続く。
一方で波乱もみえる。ニューヨーク金先物相場は10月21日に5・74%安の急落となった。値下がり幅としては過去最大。
今の相場で気になるのは、金相場に限らず9月初旬からのメルトアップ(相場の異常な高騰)とも言える急騰劇だ。
筆者は様々なデータを照らし合わせて、急騰の原因となったのはマクロ系投資とみている。機関投資家の一部は年初からレバレッジを縮小し、リスク・・・
今の上昇相場が始まったのは昨年3月からだ。それまでは1㌉あたり2千~1600㌦付近でのレンジ相場が数年続いてきたが、このレンジを上抜けたのが昨年3月1日。この日を境に次のステージに入り、10月には4千㌦を突破し、1年8カ月ほど上昇相場が続く。
一方で波乱もみえる。ニューヨーク金先物相場は10月21日に5・74%安の急落となった。値下がり幅としては過去最大。
今の相場で気になるのは、金相場に限らず9月初旬からのメルトアップ(相場の異常な高騰)とも言える急騰劇だ。
筆者は様々なデータを照らし合わせて、急騰の原因となったのはマクロ系投資とみている。機関投資家の一部は年初からレバレッジを縮小し、リスク・・・









