ENEOS「宮田独裁」の憂鬱
旧日石「粛清」で始まる業績沈降
2025年11月号
新任のグループ総帥から最初に掛けられた言葉は、これだった。
「君、日石だよね」
ENEOSホールディングス(エネオスHD)の社長に、経営統合した東燃ゼネラル石油出身の宮田知秀が就任した昨年4月のことだ。宮田のひと言に「これは駄目だ」と観念したのは香月有佐、電気事業子会社ENEOSパワーの社長である。
日本石油出身の香月は、2代前のグループ総帥・杉森務(エネオスHD元会長)、すなわち、かつての日石の販売のドンに目を掛けられ、関東第3支店長も経験したエネオス初の女性常務。その後、電気事業子会社の社長へ転籍し、“背水の陣”の覚悟で赤字体質の改善に努めてきたが、来年4月の更迭が決まった。
後任は、東燃ゼネ出身のエネオス元常務の小野田泰。米国現法へ一時左遷されていた人物である。が、すでに再エネ子会社のENEOSリニューアブル・エナジー(ERE)社長に復帰、来年4月からはENEOSパワー社長も兼務し、電力部門の責任者となる。グループ内に渦巻く怨嗟の声は激しい。
「あからさまな日石排除の宮田人事だ。もはや主要ポストに日・・・
「君、日石だよね」
ENEOSホールディングス(エネオスHD)の社長に、経営統合した東燃ゼネラル石油出身の宮田知秀が就任した昨年4月のことだ。宮田のひと言に「これは駄目だ」と観念したのは香月有佐、電気事業子会社ENEOSパワーの社長である。
日本石油出身の香月は、2代前のグループ総帥・杉森務(エネオスHD元会長)、すなわち、かつての日石の販売のドンに目を掛けられ、関東第3支店長も経験したエネオス初の女性常務。その後、電気事業子会社の社長へ転籍し、“背水の陣”の覚悟で赤字体質の改善に努めてきたが、来年4月の更迭が決まった。
後任は、東燃ゼネ出身のエネオス元常務の小野田泰。米国現法へ一時左遷されていた人物である。が、すでに再エネ子会社のENEOSリニューアブル・エナジー(ERE)社長に復帰、来年4月からはENEOSパワー社長も兼務し、電力部門の責任者となる。グループ内に渦巻く怨嗟の声は激しい。
「あからさまな日石排除の宮田人事だ。もはや主要ポストに日・・・









