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WORLD

トランプ「米中G2宣言」の衝撃

世界秩序「暗転」と日本の危機

2025年12月号

 米国のトランプ大統領が、中国の習近平国家主席との米中会談を「G2会談」と呼んだ。この一言は、単なる修辞ではない。いま米国がどちらを向き、何を切り捨てようとしているのかを示す、冷徹な政治的リアリズムの告知である。外交の世界では、トップのメッセージは国家の意思そのものであり、「G2」という語は、米国の関心が伝統的な同盟国から中国へと移ってきたことを、容赦なく世界に突きつける効果を持つ。自ら築いた秩序を自ら壊し始めた米国。その横で、最も満足げに笑っているのはロシアだ。

西側同盟国は「交渉材料」に

 10月30日、韓国・釜山での米中首脳会談後、トランプ氏は「習近平主席とのG2会談は素晴らしかった」と投稿した。過去に米中会談など幾度も行われてきたが、それをあえて「2大国による会談」と名指しするのは異常事態である。
 米国はこれまで、「価値観を共有する同盟国とともに自由と秩序を守る」との建前で世界を主導してきた。日本を含む西側は、この建前に頼って繁栄と安全を謳歌してきた。しかし米国が中国との「2人だけの関係」・・・

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