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米国「ベネズエラ侵攻」への欲望

トランプは「麻薬の泥沼」に堕ちるか

2025年12月号

 ドナルド・トランプ米大統領が、南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ政権に対する軍事力行使に本腰を入れ始めた。米国向け麻薬の巨大な出荷元となっていることを口実に政権を打倒する狙いが透けて見える。
 トランプ大統領はこれまでに、「カナダを米国の51番目の州に」と発言するなど、南北米大陸全土が米国の覇権下にあることを強調してきた。ベネズエラへの軍事侵攻もこの文脈の延長線上にあると捉えられる。ベネズエラで短期間に体制転換が実現すれば、いわゆる反米国家だけでなく、ブラジルやメキシコ、カナダなどにも大きな衝撃が走る。

ホワイトハウス内部の「温度差」

 マドゥロ大統領は、これほど早く米国が動くとは予想もしなかったに違いない。11月中旬、米空母「ジェラルド・R・フォード」が全速力でカリブ海を南下する映像が意味するところは大きい。ベネズエラは豊富な化石資源を有しながら、軍への投資や近代化は手付かずだ。
 本来、南米から米国に密輸される麻薬は、メキシコから陸路で流入するものが大半だ。密輸総量の9割がこのルート・・・

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