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《世界のキーパーソン》ヨハネス・ビンケル(独キリスト教 民主・社会同盟青年部議長)

ドイツ社会「世代間対立」の象徴

2025年12月号

 欧州連合(EU)加盟国はどこも年金制度に問題を抱えている。欧州経済が絶好調だった高度成長期に骨格が作られ、当時の現役世代に「豊かな老後」を保証したからだ。欧州が長い低成長期・低迷期に入ると、各国はやっていけなくなった。西欧先進国で今、「年金」が最重要課題として議論されるのはこのためだ。
 ドイツのキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU=ウニオン)のフリードリヒ・メルツ首相は今夏、連立相手の社会民主党(SPD)から、年金改革での合意を何とかとりつけた。両党の連立はかつて「大連立」と呼ばれたが、極右「ドイツのための選択肢」(AfD)の大躍進により、今や過半数を12議席上回るだけだ。
 連立の幹部たちが「何とかなる」と考えたのもつかの間。「ちょっと待った」の声が上がった。
 ヨハネス・ビンケル率いる同盟の青年組織「ユンゲ・ウニオン」の議員たちが、「話が違うではないか」と政府案に相次いで反対を表明したのだ。
 実は同盟内で、メルツ執行部と青年組織の話し合いが行われた際、執行部は「受給年金の増額をしない」ことを確約させられた。現役世代の負担をこれ以上増・・・

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