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イラン体制危機は「次の段階」へ

米国とイスラエルは諦めない

2026年2月号

 イランの大規模デモは沈静化に向かった。だが、その水面下で、イスラエルは次の一手を静かに進めている。デモの沈静化はイランの平穏を意味しない。むしろ、イスラエルが狙うイラン体制崩壊の「次の序章」の幕開けに過ぎないのだ。
 今回のイラン大規模デモは、米国やイスラエルにとっても予想外だった。2025年9月末、国連制裁の再開が引き金となりイラン・リヤルは急落。対米ドルでほぼ半分の価値を失った。物価は跳ね上がり、激怒したバザール商人たちは店のシャッターを閉め、抗議に立ち上がった。「制裁に加えて革命防衛隊が経済を握り、利益は上に吸い上げられる。こちらは仕入れすらできない」。怒りの矛先は体制の中枢へ向いた。1979年革命の資金と動員を支え、イスラム宗教学者を権力の座に押し上げたバザール商人が、いま反旗を翻したのである。
 バザールの影響力はこの数十年で削がれてきた。国家系企業、宗教財団、革命防衛隊系コングロマリットが経済の上流を押さえ、商人層は現場のコストとリスクばかり背負わされてきた。小売りから卸まで不満が積み重なったところへ、通貨危機が直撃した。

米国の攻撃を止めたイスラエル・・・

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