米中「AI覇権」に無力な欧州
今こそ「倫理・人道」を説く時だが
2026年6月号
米中が人工知能(AI)をめぐる覇権争いを本格化させる中、取り残された欧州は袋小路に陥っている。「危険すぎる」とされる米企業アンソロピックの最新AIモデル「クロード・ミュトス」へのアクセスを欧州連合(EU)は拒否され、議論に加わることもできない。米テックの支配下で「デジタル小作人」に成り下がることをよしとせず、そうかと言って両国と競り合う技術力や生産力も乏しい欧州は、AIの軍事利用に関わる倫理的課題でも存在感を示せずにいる。
EUは蚊帳の外だ。ミュトスはソフトウェアを解析し、脆弱性の発見や修復を行う高い能力があるが、一般には公開されていない。アンソロピックは悪用されるリスクが高いとして、検証の機会を米政府機関や一部のソフトウェア開発企業に限った。米国外では唯一、英国が検証に参加した。日本のメガバンクもアクセス権を確保したとされる。中国のAIモデルはミュトスの性能に半年から1年程度で追いつくと見積もられる。
欧州議会は5月、アンソロピック代表者に参加を要請したが拒否された。世界の金融インフラを脅かすと触れ込む割には第三者の検証を拒み、透明性を欠いている―。米テック・・・
EUは蚊帳の外だ。ミュトスはソフトウェアを解析し、脆弱性の発見や修復を行う高い能力があるが、一般には公開されていない。アンソロピックは悪用されるリスクが高いとして、検証の機会を米政府機関や一部のソフトウェア開発企業に限った。米国外では唯一、英国が検証に参加した。日本のメガバンクもアクセス権を確保したとされる。中国のAIモデルはミュトスの性能に半年から1年程度で追いつくと見積もられる。
欧州議会は5月、アンソロピック代表者に参加を要請したが拒否された。世界の金融インフラを脅かすと触れ込む割には第三者の検証を拒み、透明性を欠いている―。米テック・・・









