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連載

金融の世紀

第45回【史上最大M&Aの「白馬の騎士」】
黒木 亮

2026年9月号

 元ホストで実業家のROLAND氏は「俺か、俺以外か」のセリフで有名だが、1999年秋に勃発したボーダフォン(英)とマンネスマン(独)が争う史上最大のM&Aの帰趨を左右した人物は、まさに「俺か、俺以外か」だった。
 その人物とは、両社が「白馬の騎士」として頼ったフランスの巨大企業ヴィヴェンディ(Vivendi SE)の会長兼CEO、ジャン=マリー・メシエである。
 同社は1853年にナポレオン3世の勅令によって設立された古い上下水道会社で、1980年代には廃棄物管理、エネルギー、輸送サービス、建設・不動産事業、有料テレビチャンネルにも事業を拡大した。96年にメシエがCEOになると、映画スタジオ、通信、マスメディアへと大きく舵を切り、欧州最大級の巨大複合企業となった。この時点での従業員数は約27万5千人である。
 ボーダフォンとマンネスマンの抗争が勃発したとき、メシエは43歳。フランスのグルノーブルで会計士の息子として生まれ、エコール・ポリテクニーク(国立理工科学校)をへて官僚養成の最高峰ENA(国立行政学院)を卒業するという超エリート教育を受けた。経済・財・・・

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