EUを分断する「対中経済戦略」
「欧州優先」を巡る独仏の暗闘
2026年10月号
プーチンに騙され、今度は習近平の罠に落ちるのか―。
ロシアの天然ガスという「禁断の果実」に手を出した挙げ句、ウクライナ侵攻で手痛いしっぺ返しを食らった欧州。ようやく「中国依存は危険だ」という現実に向き合い始めた。ところが、その「次なる脅威」への向き合い方をめぐり、欧州の足元で新たな政治的亀裂が走っている。
国家が前面に出て欧州の産業を守るべきだと主張するフランス政府と、ブリュッセルの欧州連合(EU)欧州委員会。一方で、域内優先を強めれば北京からの報復を招き、自らの競争力を損なうと警戒するドイツの産業界。
双方の利害が真っ向から衝突する舞台となっているのが、「バイ・ヨーロピアン(欧州製品を買おう)」という一大構想だ。
一見、単なる経済の縄張り争いに見えるこの対立。だがその本質は、欧州が「一枚岩の対中外交・安全保障戦略」をまったく共有できていないという、根深い政治的機能不全にある。
そもそも、この「バイ・ヨーロピアン」とは、一体どんな仕掛けなのか。
欧州委員会が変えようとしているのは、政府や自治体が物やサービスを発注・・・
ロシアの天然ガスという「禁断の果実」に手を出した挙げ句、ウクライナ侵攻で手痛いしっぺ返しを食らった欧州。ようやく「中国依存は危険だ」という現実に向き合い始めた。ところが、その「次なる脅威」への向き合い方をめぐり、欧州の足元で新たな政治的亀裂が走っている。
国家が前面に出て欧州の産業を守るべきだと主張するフランス政府と、ブリュッセルの欧州連合(EU)欧州委員会。一方で、域内優先を強めれば北京からの報復を招き、自らの競争力を損なうと警戒するドイツの産業界。
双方の利害が真っ向から衝突する舞台となっているのが、「バイ・ヨーロピアン(欧州製品を買おう)」という一大構想だ。
一見、単なる経済の縄張り争いに見えるこの対立。だがその本質は、欧州が「一枚岩の対中外交・安全保障戦略」をまったく共有できていないという、根深い政治的機能不全にある。
そもそも、この「バイ・ヨーロピアン」とは、一体どんな仕掛けなのか。
欧州委員会が変えようとしているのは、政府や自治体が物やサービスを発注・・・









