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社会・文化

「軍用地」まで食い荒らす外資

北海道や九州、沖縄で次々と

2012年4月号

「外資が国土を狙うのはなぜ?」 「何の目的で……」  かねて「謎」とされてきたその狙いが、いよいよ透けてきたといえようか。小誌でこれまで、日本の貴重な国土資源を買い漁る外資の動きに警鐘を鳴らしてきたが、ここにきて衝撃的な「情報」が伝わってきた。国土買収に躍起となる外資の手が、いまや日本各地に点在する自衛隊施設や米軍施設といった「軍用地」とその周辺にも伸びているというのだ。既報の水源林や国境離島に対する買収工作とは比べられぬほどの深刻さを孕んだ問題だ。

防衛省も所有者を追えない

 北海道南西部に位置する倶知安町。ここにある自衛隊駐屯地には、周囲三キロメートル以内に外資が所有する土地が現在わかっているだけで三件、計百九ヘクタールもある。うち一件は外資による山林買収がはじめて世に出た現場だ。二〇〇八年五月、実に相場の五倍を提示された地主は、たちまち売却した。どうしてそれほど高額な価格を提示するのか。  問題視した北海道庁は自衛隊施設や警察署周辺林地の所有者に対し、アンケート用紙を郵送した。だが、宛先不明で返送されてきたものが五十四件、計五・・・