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社会・文化

「出版取次会社」が本を殺す

電子書籍時代に対応できず

2012年11月号

 十月二十四日、米通販大手アマゾンの日本法人は、電子書籍端末「キンドル」の日本語対応版の販売予約を開始した。 「とうとう本命の上陸。スローペースだった日本の電子書籍市場に風穴が開くかもしれない」  出版取次大手トーハンの関係者は戦々恐々と語った。十一月二日には米アップル社の「iPad mini」の販売も控える中で、既存の出版業界を見ると、醜い内紛や中小書店、出版社虐めが続いている。主役は、書籍流通の根幹を握る取次だ。

シェアを奪われるトーハン

 出版取次の二〇一一年度決算を見るとトップは十六年連続で日本出版販売(日販)、年間売上高は五千八百九十五億円だった。しかし、首位の座をトーハンから奪った直後の一九九八年度(八千百五十七億円)をピークに毎年売上を落としている。「二強」の一角であるトーハンも六年連続の減収で、売上高は五千三十九億円だった。トーハンとの差は約八百五十億円となり、これは過去最高だ。出版流通に詳しい関係者はこう語る。 「トーハンは内紛をきっかけとして揺れている。近い将来取次業界は一強時代になるかもしれない」  きっかけ・・・