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社会・文化

三つ星シェフはなぜ「自殺」するのか

天才たちを蝕むミシュランの「魔性」

2016年3月号

 イタリア・フィレンツェのミシュラン三つ星「リストランテ・エノテカ・ピンキオーリ」は、一九九五年に二つ星に降格され、二〇〇四年に返り咲いた。シェフのアニー・フェオルデは語った。「三つ星は新たに取るより、取り戻す方が難しい」と。
〝ミシュラン伝説〟に付け加える法則がもう一つある。三つ星を維持するのは、獲得するよりはるかに苦労を伴う。一月三十一日に自殺したスイスのブノワ・ヴィオリエは、三つ星シェフの背負う重圧の大きさを物語っている。