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社会・文化

医療法改悪で始まる「医師奴隷化」

開業や勤務地選択の「自由剝奪」へ

2017年12月号

 医師と言えば、社会的な地位も高額な報酬も生涯保障されたエリート中のエリートというのが世間の通り相場だ。ところが、そんな評価も今や昔となる日がすぐそこに迫っている。開業の自由ばかりか、勤務地を選択する自由までをも剝奪する医療法改悪への策動が進行しているのだ。編集部は、来年の通常国会に提出予定の改正医療法案のたたき台となる極秘文書を入手した。表題は「医師の地域偏在・診療科偏在の解消に向けた強力な取り組みの推進」―。そこには医学部教育から就職後まで勤務医をがんじ絡めにする具体策が網羅されている。誰がどんな目的で、こんな愚策を推し進めているのか。
「あの連中に任せていたら、この国の医療が崩壊してしまう」
 医療政策に詳しい医学部教授は憤る。あの連中とは医系技官こと、医師免許を持つ二百八十人のキャリア官僚。彼らの手による文書の中身を解読していこう。
 医学部教育では「いわゆる地域枠のこれまでの効果について地元出身者の定着率も含め検証を行い、卒業後の地域定着が見込まれるように地域枠の在り方を検討」と明記している。地域枠は、医学部卒業後の地元勤務を条件に奨学金を出す制・・・

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