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トランプの新疑惑「トルコ金脈」

米軍シリア撤退は「私利私欲」の決定か

2019年11月号

 ドナルド・トランプ米大統領とその一家が、トルコの企業や経済人と、多額の取引や深いつながりを持っていることが明らかになった。なかでもレジェップ・エルドアン大統領一家に直結するケースが多く、トランプ大統領がシリア駐留米軍撤退を命じたのが、カネまみれの決定だったか否かに注目が集まっている。
 トルコ疑惑のかなめになった人物は、二人いる。
「トランプ政権下で最強のロビイスト」とされる米国人ブライアン・バラード氏と、エルドアン一家と親しいトルコ人実業家、メフメト・アリ・ヤルチュンダー氏だ。
 バラード氏本人の言によると、「トランプ氏の著作を読んで感激し、手紙を書いた。すぐに電話で話す仲になった」そうである。
「フロリダ州で助けが必要だったら、声をかけてください」と頼んだところ、高級リゾート「マーララゴ」開発など巨大案件が次々と舞い込んだ。トランプ氏にとって、フロリダは地元ニューヨークに匹敵する大型事業の舞台になった。
 バラード氏はフロリダ州生まれで、フロリダ大学を卒業後、「バラード・パートナーズ」社を創設して、ロビイ活動に入った。「肘鉄野郎」・・・