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政治

菅は憲法改正をやるのか

安倍より「好条件」は整ったが

2020年10月号

 ひょっとすると、ひょっとするかもしれない。
 施行以来、七十三年間にわたって一字一句も修正されることがなく、「不磨の大典」と化している日本国憲法が、菅義偉政権の発足で、いよいよ改正へ動き出すかもしれない。
 皮肉なことに、その最大の要因は、「二〇二〇年を新しい憲法が施行される年としたい」と言ってはばからなかった安倍晋三が、突然退陣したことである。
 歴代の自民党政権でも一、二を争う改憲論者の安倍が打ち出した「憲法九条に第三項を加え、自衛隊を明記する」方針に、野党は強く反発。立憲民主党代表の枝野幸男が「安倍さんのうちは絶対に協力しない。安倍政権下での憲法改正を絶対に阻止する」と公言していたように、野党は憲法論議を徹底してサボタージュして、国会の憲法審査会は開店休業状態が続いた。
 憲法改正は、衆参両院総議員の三分の二以上が賛成しなければ、発議さえできない。しかも発議のあとに実施される国民投票で過半数の賛成が必要なため、日米安保体制の強化を目的とした安保関連法案を成立させたときのような強引な国会運営をすれば、国民投票に悪影響を与えかねない。強行採決・・・