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経済

米国沸騰「暗号通貨」は要注視

世界金融「構造大転換」の可能性

2025年7月号

「米国を誰もが認めるビットコイン超大国、そして世界の暗号資産の首都にする」。米国のトランプ大統領は繰り返し発言している。暗号資産(暗号通貨)の推進は現政権の目玉政策の一つであり、ウォール街では今誰もがステーブルコイン(価格が安定するよう設計された暗号資産。主に米ドルに連動)について話している。間違いなく重要トピックだ。トランプ政権が進めている暗号資産の法整備は、米国ひいては世界全体の金融秩序に巨大な構造変化を起こす可能性があるからだ。
 株式市場は変化の匂いを嗅ぎつけている。ステーブルコインの発行大手「サークル・インターネット」が6月5日にニューヨーク証券取引所に上場したが、初値で69㌦をつけてIPO(新規株式公開)価格31㌦を倍以上も上回った。その後も連日急騰し、原稿執筆時点(6月20日)で240㌦に達し、2週間で8倍に達している。
 同社はステーブルコイン「USDC」の発行元企業。USDCは時価総額614億㌦で第2位のステーブルコインだ。時価総額1557億㌦で最大規模の「USDT」(発行元テザー)の後を追って少しずつ差を縮めている。この二つで市場の9割を占める。・・・

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