中部電力を鞭打つ「強面ファンド」
能天気経営「改悛」の好機となるか
2025年7月号
「東京ガスより“与し易し”とみられたか、中電も随分舐められたものだ」
東ガス株を5・03%取得し、同社に遊休不動産の売却を迫っていたヘッジファンド大手、米エリオット・インベストメント・マネジメント―。それが4月、手仕舞いし一転、中部電力へ投資の矛先を向けたことに電力業界の怨嗟が募っている。
東ガス株は相次ぐ自社株買いの結果、エリオットの昨年夏の投資に比べ一時60%近く高騰、エリオットは不動産売却を待たずに売り抜けたらしい。「しょせん利ザヤ稼ぎ。最強アクティビストも口ほどにもない」という反応が大勢だ。「いや、そうとばかりは言えない」と、ある証券関係者は囁いた。
「エリオットの今の日本株責任者は侮れない。中電はノンコア資産を吐き出されかねないぞ」
アーロン・タイ氏―。出光興産はその名を記憶しているだろう。米コーンウォール・キャピタル・マネジメントのファンドマネージャーとして東亜石油の株式を買い占め、2021年2月、出光による東亜の完全子会社化TOB(株式公開買い付け)を頓挫せしめた人物だ。その後、出光からより高値のTOB・・・
東ガス株を5・03%取得し、同社に遊休不動産の売却を迫っていたヘッジファンド大手、米エリオット・インベストメント・マネジメント―。それが4月、手仕舞いし一転、中部電力へ投資の矛先を向けたことに電力業界の怨嗟が募っている。
東ガス株は相次ぐ自社株買いの結果、エリオットの昨年夏の投資に比べ一時60%近く高騰、エリオットは不動産売却を待たずに売り抜けたらしい。「しょせん利ザヤ稼ぎ。最強アクティビストも口ほどにもない」という反応が大勢だ。「いや、そうとばかりは言えない」と、ある証券関係者は囁いた。
「エリオットの今の日本株責任者は侮れない。中電はノンコア資産を吐き出されかねないぞ」
アーロン・タイ氏―。出光興産はその名を記憶しているだろう。米コーンウォール・キャピタル・マネジメントのファンドマネージャーとして東亜石油の株式を買い占め、2021年2月、出光による東亜の完全子会社化TOB(株式公開買い付け)を頓挫せしめた人物だ。その後、出光からより高値のTOB・・・