人殺し「違法盛り土」は今も続く
「熱海惨事」から4年で教訓皆無
2025年7月号
違法な盛り土が崩落し、災害関連死を含む28人が犠牲となった静岡県熱海市の土石流災害から7月3日で4年になる。災害をきっかけに、国は「宅地造成等規制法」を改正し、危険な盛り土を造成した法人に罰金最大3億円を科す「盛土規制法」を2023年に施行した。ただ、そもそも違法な盛り土を許した行政の対応も問題視された。批判を受けた静岡県は規制を強化したが、他の自治体の意識は相変わらずで、法令違反の盛り土が放置されている。熱海のような災害が繰り返される危険はなくなっていない。
「天災ではない。人災だ」。土石流の遺族らは、盛り土を造成した不動産会社「新幹線ビルディング」の代表や土地の所有者に損害賠償を求め提訴。業務上過失致死容疑で刑事告訴もしている。しかし、怒りの矛先は業者にとどまらず、行政にも向けられた。市と県が盛り土の存在を把握しながら是正しなかったとして、県と市を相手取り訴訟を起こすだけでなく、齊藤栄熱海市長を〝被疑者〟として刑事告訴・告発も行った。
事の発端は07年にさかのぼる。新幹線ビルディングが県土採取等規制条例に基づき、計画を届け出た。提出書類には、土の運搬方法や搬・・・
「天災ではない。人災だ」。土石流の遺族らは、盛り土を造成した不動産会社「新幹線ビルディング」の代表や土地の所有者に損害賠償を求め提訴。業務上過失致死容疑で刑事告訴もしている。しかし、怒りの矛先は業者にとどまらず、行政にも向けられた。市と県が盛り土の存在を把握しながら是正しなかったとして、県と市を相手取り訴訟を起こすだけでなく、齊藤栄熱海市長を〝被疑者〟として刑事告訴・告発も行った。
事の発端は07年にさかのぼる。新幹線ビルディングが県土採取等規制条例に基づき、計画を届け出た。提出書類には、土の運搬方法や搬・・・