金融の世紀
第34 回【日本に来襲した米M&Aの大物】
黒木 亮
2025年10月号
中居正広問題を契機に、窮地に陥ったフジ・メディア・ホールディングスを米国の投資ファンド、ダルトン・インベストメンツが揺さぶったり、DIC(旧・大日本インキ化学工業)に対し、香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが保有美術品の売却を迫ったりと、ここ10年ほど、外国アクティビストの日本における存在感が急速に高まっている。
しかし、資本市場における黒船の日本初襲来はもっと古く、36年前に遡る。バブル経済の真っただ中の1989年4月2日、日本経済新聞が一面に「ピケンズ氏、筆頭株主に 米M&Aの大物 小糸製株20%を取得」という4段の記事を掲載し、米国のグリーンメーラー(企業恐喝屋)、T・ブーン・ピケンズが、トヨタ自動車系の大手自動車用照明メーカー、小糸製作所(東証1部)の株式を大量取得したと報じた。
当時、M&Aが隆盛を極めていた米国で跋扈していたのが、企業の株を買い占める、ピケンズのようなコーポレート・レイダー(企業襲撃者)たちだった。
ピケンズは、この時60歳。原油汲み上げポンプの周囲で、牛が草を食む、オクラホマ州の片田舎、ホールデンビルの生まれで・・・
しかし、資本市場における黒船の日本初襲来はもっと古く、36年前に遡る。バブル経済の真っただ中の1989年4月2日、日本経済新聞が一面に「ピケンズ氏、筆頭株主に 米M&Aの大物 小糸製株20%を取得」という4段の記事を掲載し、米国のグリーンメーラー(企業恐喝屋)、T・ブーン・ピケンズが、トヨタ自動車系の大手自動車用照明メーカー、小糸製作所(東証1部)の株式を大量取得したと報じた。
当時、M&Aが隆盛を極めていた米国で跋扈していたのが、企業の株を買い占める、ピケンズのようなコーポレート・レイダー(企業襲撃者)たちだった。
ピケンズは、この時60歳。原油汲み上げポンプの周囲で、牛が草を食む、オクラホマ州の片田舎、ホールデンビルの生まれで・・・









