EUが「対露防衛」で愚かな分断
「ドローン撃退」で独仏伊のエゴ
2025年11月号
ロシアによるドローン(無人機)の領空侵犯が9月以降、欧州の広い範囲で相次ぎ、ウクライナ侵攻以来の緊張が肌感覚で高まる。ポーランドには約20機のドローンが飛来し、軍が一部を撃墜した。続いてルーマニアでもドローンが検知され、F 16戦闘機を緊急発進させた。デンマークでは、ほぼ同時刻に国内五つの空港や空軍基地付近に不審なドローンが飛来。ドイツでは、世界各地から観光客が訪れるオクトーバーフェストの時期を狙ったかのように南部ミュンヘンの空港周辺に正体不明のドローンが滞空し、2日にわたって航空機の離着陸が停止して大混乱に陥った。
デンマークでの目撃から数日後、フランス海軍はこのドローンの発射台になった疑いがあるとしてロシア産原油を運ぶタンカーを拿捕した。ノルウェー、ベルギーなどでも重要施設上空を組織立って偵察するドローンが確認されている。いずれの件でもロシアは関与を否定しているが、納得する者はいない。
軍事的・非軍事的手段を組み合わせて相手を不安定化させる典型的なハイブリッド戦だ。ロシア側は敵対する欧州にサイバー攻撃やニセ情報拡散、多数の移民を送り込む国境管理不全などを試・・・
デンマークでの目撃から数日後、フランス海軍はこのドローンの発射台になった疑いがあるとしてロシア産原油を運ぶタンカーを拿捕した。ノルウェー、ベルギーなどでも重要施設上空を組織立って偵察するドローンが確認されている。いずれの件でもロシアは関与を否定しているが、納得する者はいない。
軍事的・非軍事的手段を組み合わせて相手を不安定化させる典型的なハイブリッド戦だ。ロシア側は敵対する欧州にサイバー攻撃やニセ情報拡散、多数の移民を送り込む国境管理不全などを試・・・









