期待過剰の高市外交
「安倍踏襲」で過つ日本の針路
2025年11月号特別リポート
「日本列島を強く豊かにしていく。世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」―。10月24日、就任後初の所信表明演説に臨んだ高市早苗首相はこう語った。少数与党でありながら、政権発足時としては、石破茂前政権を20ポイント以上上回る74%(日本経済新聞とテレビ東京による調査)と高い世論の支持を受けての船出となった高市氏。その政権は日本外交で何をどう取り戻そうとしているのか。取り戻すべきものは何か。
米国の「下駄の雪」外交の継続
10月中旬、パレスチナ自治区ガザでの戦闘終結に向けた国際首脳会議が開かれたエジプト東部のリゾート地シャルム・エル・シェイク。開催国エジプトのシーシ大統領とともに共同議長を務めたトランプ米大統領は、停戦を実現させた自らの外交努力を自画自賛し、会見では出席した一人ひとりの首脳の名前を出して、その協力に感謝を述べた。だが、そこに日本の首相(当時は石破氏)の名前はなかった。退任直前で大阪・関西万博の閉幕とも重なった石破氏は出席を見送り、岩井文男駐エジプト大使が出席したためだ。
中東情勢・・・
米国の「下駄の雪」外交の継続
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中東情勢・・・









