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アフガン「新たな争奪戦」が幕開け

米中角逐の優劣を決める「要衝」

2025年11月号

 アフガニスタンで、またもや戦いの火蓋が切られようとしている。今回はテロでも過激派でもない。軍事的に力を増しつつあるインドがアフガンへ接近している。資源、軍事、国境をめぐり、アフガンの地で中国とパキスタンを巻き込む複雑な大国同士の新たなグレートゲームが始まったのだ。
 インドは5月、パキスタン国内のテロ組織の拠点に対する「シンドール作戦」で初めてAIを大規模に運用した。同国はパキスタンの軍事センサーや電子信号に関する過去26年分のデータを収集。訓練で各種レーダーやミサイル部隊などの脅威を94%の精度で識別する「ECAS」の独自開発に成功し、パキスタンに対して圧倒的優位に攻撃を進めた。
 インドは、国連で論争が続く自律型致死兵器システム(LAWS)について、禁止に消極的な姿勢を貫いてきた。今回、実戦での成果を踏まえ、AI搭載兵器の開発・配備をさらに早める可能性が高い。
 こうしたインドの急伸を誰が支えたのか。湾岸諸国の政府関係者は「背後にはイスラエルの協力がある」と証言する。事実、インドはイスラエルにとって最大の武器輸出先だ。イスラエルの武器輸出の約40%が・・・

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