《世界のキーパーソン》ガブリエル・ズックマン(仏経済学者)
超富裕層「狙い撃ち課税」の提唱者
2025年11月号
「革命」の国フランスは、革命的思想家を頻繁に輩出する。啓蒙主義のデカルトやルソーは、フランス革命の思想的先駆になった。20世紀の実存主義のサルトルや「不条理」のカミュは、第2次世界大戦後の世界の若者たちの抗議運動を触発した。
この系譜に新たに連なる人物が、またもフランスに現れた。経済学者のガブリエル・ズックマン(仏語ではジュクマン)。今年10月30日、38歳になったばかりだ。
この人の経済思想は、書物の題名からはっきりと分かる。『つくられた格差 不公平税制が生んだ所得の不平等』(光文社)、『世界不平等レポート2018』(みすず書房)。そして『失われた国家の富 タックス・ヘイブンの経済学』(NTT出版)だ。
いずれにも共通するのは、「億万長者は(相応の)税金を払わない」という厳然たる事実を、国際的なカネの流れを追って論証していることだ。もちろん、億万長者たちも税金を支払っている。だがそれは、社会にとって「公正」な水準を遥かに下回っている、というのがズックマンの学問的、かつ実証的な結論である。
ズックマンはその上で、「億万長者に応分の税金を支・・・
この系譜に新たに連なる人物が、またもフランスに現れた。経済学者のガブリエル・ズックマン(仏語ではジュクマン)。今年10月30日、38歳になったばかりだ。
この人の経済思想は、書物の題名からはっきりと分かる。『つくられた格差 不公平税制が生んだ所得の不平等』(光文社)、『世界不平等レポート2018』(みすず書房)。そして『失われた国家の富 タックス・ヘイブンの経済学』(NTT出版)だ。
いずれにも共通するのは、「億万長者は(相応の)税金を払わない」という厳然たる事実を、国際的なカネの流れを追って論証していることだ。もちろん、億万長者たちも税金を支払っている。だがそれは、社会にとって「公正」な水準を遥かに下回っている、というのがズックマンの学問的、かつ実証的な結論である。
ズックマンはその上で、「億万長者に応分の税金を支・・・









