「親中企業」キヤノンの転落
中国「日本企業排除」の餌食に
2026年1月号
日本の製造業の中で、中国での生産拠点展開、売上比率などで群を抜く“親中企業”だったキヤノンが中国からの撤退を加速させている。2025年11月に広東省中山市のレーザープリンター工場を閉鎖した。デジタルカメラ、プリンター部品などの中国拠点は既に撤退しており、脱中国が進んでいる。背景にあるのは習近平政権の「外資排除・内資優先」政策。外資から技術を窃取して中国メーカーを育成、安値攻勢で外資のシェアを奪い、中国市場から追い出し、工場を居抜きで買い叩く。キヤノンはその術中にはまった。米中対立による戦略的中国撤退だけでなく、中国に逐われる日本製造業が今後、増えるだろう。
「キヤノンよ、ありがとう!」「キヤノンに長年勤めて良かった!」―。キヤノンの中山工場正式閉鎖後の12月1日、最後まで残った1400人の従業員に解雇に伴う経済補償金や特別手当などが支払われると、地元のメディアやSNSはキヤノンへの賛辞であふれかえった。キヤノンの補償金が法定水準を大きく超え、中国企業では考えられない退職ボーナスまで支払ったからだ。勤続20年超の社員の一人は総額80万元(1800万円)・・・
「キヤノンよ、ありがとう!」「キヤノンに長年勤めて良かった!」―。キヤノンの中山工場正式閉鎖後の12月1日、最後まで残った1400人の従業員に解雇に伴う経済補償金や特別手当などが支払われると、地元のメディアやSNSはキヤノンへの賛辞であふれかえった。キヤノンの補償金が法定水準を大きく超え、中国企業では考えられない退職ボーナスまで支払ったからだ。勤続20年超の社員の一人は総額80万元(1800万円)・・・









