スズキも「下請けいじめ」の常習犯
法令無視が社風の「カネの亡者」
2026年1月号
売上高は6兆円を見込み、営業利益率は10%近くに達して国内の自動車業界でトヨタ自動車と共に「勝ち組」と称されるスズキ。そのスズキが、軽自動車や小型車といった比較的安価な製品を扱いながらも高収益をたたき出せるカラクリが、「下請けいじめ」にあることが当局によって白日の下にさらされた。スズキの完全子会社であるスニックが、公正取引委員会から下請法違反で勧告を受けたのである。
スニックはシートやマフラー、ドアトリムなどを生産する部品メーカー。スズキとは別会社であるという言い訳など通用しない。納入先はほぼ100%スズキで、社長を務める檜原作二氏もスズキ出身。本社よりも人件費を低く抑えつつ、本社からの天下りポストを用意するためにつくった典型的なグループ企業の1社だ。そのスニックは二つの違反行為に手を染めていた。「不当な経済上の利益の提供要請」および「買い叩き」である。
このうち、不当な経済上の利益の提供要請の中身は金型の無償保管である。スニックは自社が所有権を持つ金型を下請け企業に貸与し、加工した部品を納入させていた。問題は、この部品の量産が終了した後でもなお、対価を払わず・・・
スニックはシートやマフラー、ドアトリムなどを生産する部品メーカー。スズキとは別会社であるという言い訳など通用しない。納入先はほぼ100%スズキで、社長を務める檜原作二氏もスズキ出身。本社よりも人件費を低く抑えつつ、本社からの天下りポストを用意するためにつくった典型的なグループ企業の1社だ。そのスニックは二つの違反行為に手を染めていた。「不当な経済上の利益の提供要請」および「買い叩き」である。
このうち、不当な経済上の利益の提供要請の中身は金型の無償保管である。スニックは自社が所有権を持つ金型を下請け企業に貸与し、加工した部品を納入させていた。問題は、この部品の量産が終了した後でもなお、対価を払わず・・・









