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WORLD

世界は一層「紛争多発」の時代に

中東・アフリカで「代理戦争」続々

2026年2月号

 1月に開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)でカナダ首相マーク・カーニーの演説が注目を集めた。ルールに基づく国際秩序は終わったと言い切り、大国の暴挙から主権を守るためにミドルパワー(中堅国)は結束すべきだと呼びかけた。アメリカが「勢力圏」を主張し、力の論理に訴えるなかで、中東などではミドルパワーの縄張り争いに拍車がかかりつつある。
 2025年12月、イスラエルが突如、ソマリランドの独立を承認した。1991年にソマリアからの分離独立を主張して自治統治を固めてきたこの地を世界で初めてイスラエルが国として認めた。
 イスラエルはソマリランドをガザのパレスチナ人の「受け入れ先」と位置付けているなどの憶測も飛び交うが、戦略的な野心があるのは間違いない。ソマリランドはスエズ運河から紅海、アデン湾へ抜け、地中海とインド洋をつなぐ航路の要衝。対岸のイエメンではイランを後ろ盾とする武装勢力フーシがイスラエル船舶を狙う。イスラエルはソマリランドの港湾拠点へのアクセスを確保し、勢力を広げた。
 欧州連合(EU)やアフリカ連合、湾岸諸国がイスラエルを非難したが、とりわけ激し・・・

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