金融の世紀
第38 回【トランプの顧問になった「資産剥奪者」】
黒木 亮
2026年2月号
第4波のM&Aブームのさなか、数々のグリーンメーリング(買い占めた株を高値で買い戻させること)に成功したカール・アイカーンが、企業を本当に買って経営に乗り出したので、世間はあっと驚いた。対象は、米国で実質2番手のナショナル・フラッグ・キャリアで、2万6千人の従業員を擁する、TWA(トランス・ワールド航空)だった。
ジミー・カーター政権下の1978年に行われた航空業界の規制緩和で、TWAは激しい競争に晒され、多額の債務、高賃金、低い利益率、老朽化した機材などに苦しんでいた。経営陣は労働組合との賃金交渉に追われ、他の企業が採用していたようなポイズン・ピルや役員の任期をずらすといった、買収防衛策を何一つ講じておらず、外から見ると丸裸同然だった。
アイカーンは85年5月第1週までにTWAの株式の約20%を簿価より低い1株当たり9㌦50㌣で買い付け、慌てた経営陣は、大手投資銀行、ソロモン・ブラザーズにホワイトナイト探しを依頼したが、問題の多いTWA救済に関心を示す企業はほとんどなかった。
アイカーンは、TWAの労働組合と交渉の末、パイロットと整備士の組合と、・・・
ジミー・カーター政権下の1978年に行われた航空業界の規制緩和で、TWAは激しい競争に晒され、多額の債務、高賃金、低い利益率、老朽化した機材などに苦しんでいた。経営陣は労働組合との賃金交渉に追われ、他の企業が採用していたようなポイズン・ピルや役員の任期をずらすといった、買収防衛策を何一つ講じておらず、外から見ると丸裸同然だった。
アイカーンは85年5月第1週までにTWAの株式の約20%を簿価より低い1株当たり9㌦50㌣で買い付け、慌てた経営陣は、大手投資銀行、ソロモン・ブラザーズにホワイトナイト探しを依頼したが、問題の多いTWA救済に関心を示す企業はほとんどなかった。
アイカーンは、TWAの労働組合と交渉の末、パイロットと整備士の組合と、・・・









