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WORLD

《世界のキーパーソン》アダム・ベーラー(米大統領人質問題特使)

米外交のよろず問題解決「請負屋」

2026年2月号

  ドナルド・トランプ米大統領が世界のニュースのヘッドラインを独占している。北大西洋条約機構(NATO)の将来から中東和平、中国、ロシアとの関係など、一挙一動が詳細に報じられる。1期目(2017~21年)のドタバタ報道と対照的に、世界の政治経済を動かす、最重要人物として注目されているのだ。人工知能(AI)の発展を背景にして、「米国一強」時代の再来を予感させている。
 今年6月には80歳になる大統領が、変わったわけではない。「彼を支える側近群に規律が生まれたことが大きい」と、米紙のベテラン記者は言う。
 ホワイトハウスの大統領執務室に最も近いところに、マルコ・ルビオ国務長官兼大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が執務室を置き、米外交を一手に引き受けているのが「安定感」の源だ。米外交につきまとってきた「ホワイトハウスと国務省の軋轢」という宿痾が、一人の人物の兼任によって封じ込められているのだ。
 ホワイトハウスはまた、記者たちの出入りが難しい。保安上の理由で、大統領執務室周辺は簡単に近寄れないからだ。「ルビオ国務長官は、ホワイトハウスに陣取って、電話・・・

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