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社会・文化

医師働き方改革で進む「医療衰弱」

研修医が育たない制度の欠陥

2026年5月号

 医師の働き方改革が進んでいる。喫緊の課題だが、若手研修医は労働時間減少のなかで、甘やかされる実態がある。医師の判断の誤りは、患者の生死に直結する。医療事故を起こさない実力を養うには現場での経験、とりわけ若年での経験が鍵をにぎる。医師は患者の命を預かる。この改革で実力ある医師は育つのか。このままでは患者にツケが回ってくるのではないか。
 長時間労働の是正と医療の質・安全確保を目的に、医師の時間外労働の上限規制は2024年4月、本格施行された。一般勤務医は年960時間、地域医療維持に不可欠の場合や、初期・後期研修医は最大年1860時間に制限された。36年度以降は、すべての医師の上限は年960時間に統一される。問題はその手法だ。画一的な規制は予期せぬ弊害を招きかねない。

経験が全てなのに

 若手医師では、一定の臨床経験が実力向上に重要であることが複数の研究で示されている。 
 まず筑波大学を中心とする研究グループが19年に実施した調査だ。
 日本の初期研修医4753人を対象に、勤務時・・・

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