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社会・文化

皇統「男系継承」という幻想の世界

「万世一系」は無理筋な物語

2026年5月号

「国論を二分する政策」に意欲的な高市早苗首相である。二分というからには国民の半数が反対する事案でも衆院議席3分の2超の数の力で突破しようということなのだろう。
 では、7割が異論を持つテーマでも押し切る自信はあるのか。長年、小田原評定が続いている皇位継承問題のことだ。
 この二十数年間の世論調査では、実施時期や媒体によって差はあるが、女性天皇についてはおおよそ7〜8割、女系天皇は7割前後が容認という結果が出ている。
 しかし、安倍晋三政権以降の自民党は、男系継承は天皇の絶対原理として女性・女系天皇を否定する姿勢を貫いてきた。この問題では「国論を二分してはならない」と真逆の言い分で、神聖なる天皇、皇室の問題での論争は不敬と言わんばかりに「静謐」を主張している。
 本音は世論を背景とした男系女系論議は不利とみて、議論を戦わせず「こっそり」やりたいということだろう。
 この戦略はなんとなく功を奏している。政治での議論は本質の皇位継承から皇族数確保へとすり替わり、現在再起動しようとしている議案も①女性皇族が婚姻後も皇室に残る②旧皇族の男系男子を・・・

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