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《世界のキーパーソン》 ジョージ・シミオン(ルーマニア人統一同盟党首)

欧州地図「書き換え」を狙う民族主義者

2026年6月号

  英国の政治家ウィンストン・チャーチルが「バルト海のシュチェチンからアドリア海のトリエステまで、鉄のカーテンが下ろされた」と有名な演説をしたのは1946年のこと。東欧に共産主義政権が続々と誕生し、欧州分断が始まったころだ。それから80年を経て、同じ地域に不気味な政治潮流が広がっている。民族主義への傾斜だ。
 バルカン半島のルーマニアに現れたのが、「ルーマニア人統一同盟(AUR)」のジョージ(ジョルジェ)・シミオン党首である。
 まず党名に注目していただきたい。ルーマニアは現在「ルーマニア人」だけの国家ではない。ハンガリー系も全人口の6%を構成している。だが、この党はあえて「ルーマニア人の党」であると宣言し、排外的な民族主義を掲げる。
 シミオンは昨年5月の大統領選第1回投票で41%を集めてトップに立ち、欧州連合(EU)に衝撃を与えた。上位2人による2週間後の決選投票では、大半の既成政党が「反シミオン」で団結し、ブカレスト市長のニクショル・ダンを何とか当選させた。
 だがシミオンの勢いは止まらない。今年5月には、旧共産党系の議員らも巻き・・・

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