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EUが進む「排外主義」への道

移民強制送還「強化」に傾く無節操

2026年7月号

 欧州連合(EU)で移民送還規則の厳格化が進んでいる。極右の伸長に押された主流政党の苦肉の策に見えるが、本質は、各国政府の政策の失敗を「帰らない移民」の問題にすり替える責任逃れの政治にある。

主流政党が陥った「悪循環」

 まずは送還強化を後押しした現場の事情から見ておきたい。
 ドイツ西部ラインラント・プファルツ州バート・クロイツナハ郡に、人口1800人のウィンデスハイムという村がある。ここで、一人の送還対象者を巡り、月4万ユーロ(約740万円)の警備費が費やされていた。
 20歳のアフガニスタン人男性は2024年秋に庇護申請を却下され、出国義務が確定していたが、身元確認や旅券取得が進まず、送還が滞っていた。その間、宿舎では他の入居者らへの威嚇行為が問題となり、一人用の居住コンテナに移され、民間警備員が24時間体制で配置された。郡長のベッティーナ・ディッケスは「学校で教室の壁を塗り直すこともできない」と監視費用の額に頭を抱えた。
 男性は25年7月、アフガニスタンへ送還された。だ・・・

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