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連載

金融の世紀

第43回【ジャンクボンド市場の崩壊と再生】
黒木 亮

2026年7月号

 1986年5月、準大手投資銀行、ドレクセル・バーナム・ランベールのM&A部門の幹部、デニス・レヴィンがインサイダー取引の容疑で逮捕され、供述にもとづいて、インサイダー情報を提供していたシェアソン・リーマンのM&A部門の幹部、イラ・ソコロウ、ゴールドマン・サックスの裁定取引の責任者、ロバート・フリーマン、ロシア移民の血を引く投機家、アイバン・ボウスキーらが芋づる式に摘発された。
 ボウスキーは、レヴィンからナビスコ(RJレイノルズとの合併前)やヒューストン・ナチュラル・ガス社(後のエンロン)に関する買収情報をもらい、見返りに儲けの5%を渡していた。86年11月に有罪を認めたが、その半年ほど前、カリフォルニア大学バークレー校の卒業式で、「グリード・イズ・ヘルシー(欲望は健全だ)」と演説をぶって物議を醸している。これは翌年公開された映画『ウォール街』で、マイケル・ダグラスが演じた強欲投資家、ゴードン・ゲッコーのセリフのもとになった。またボウスキーが、SEC(米証券取引委員会)に協力し、企業インサイダーや買収専門家との会話を秘密裏に録音したことも、『ウォール街』で若き投資銀行マン役・・・

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