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サウジが「核保有国」となる日

米「原子力協定」が招く中東激変

2026年8月号

 203X年、ムハンマド皇太子(MBS)は、サルマン国王の生前退位に伴ってサウジアラビアの新国王に就任した。国王就任演説でこう高らかに宣言した。
「我が国は、自国の原料と技術によって、いまや最高の抑止兵器を保有したことを宣言する。この兵器はあくまでも抑止のためのものであり、地域の安定を保つためのものだ」
 サウジは国内に天然ウランを持つ。26年に米国と結んだ原子力協定にもとづき、自国内で民生用原発燃料のためのウラン濃縮が認められていたが、軍事転用されていた。欧米メディアは、サウジが核保有に踏み切ったと一斉に報じた―。
 米国が7月にサウジとの間で合意した「平和的な原子力協力協定」について、トランプ政権は、「サウジの原子力エネルギー計画において、米企業に大きな参入機会をもたらす」(エネルギー省)と、民生面での経済的利益を強調する。協定の詳細は、公表されていないが、ニューヨーク・タイムズは、両国が今後2年間協議し、サウジが自国でウランを濃縮できるか検討すると報じている。
 濃縮ウランは発電用燃料として利用できる一方、濃度を高めれば、核兵器の製造にも転・・・

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