三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

社会・文化

場当たり農政が生んだ「逆・米騒動」

米価「乱高下」はなぜ起きる

2026年9月号

「令和の米騒動」で急騰した米価は、今年に入って一転して下落に転じた。春になって今年度(2026年産)の主食用米の作付面積が確定し大幅増産が明らかになると、米余りの懸念が一段と強まった。さらに、夏を過ぎて25年産が売れ残る中、新米の出荷が始まり在庫を処分する動きが強まっている。
 農林水産省によると、8月中旬の平均店頭価格は3191円(精米5㎏)で、過去最高値だった年初と比べると1千円以上値下がりして約3割安い。供給過剰は単なる「高値の反動」では説明できない。放出した政府備蓄米が売り切れず残った。割安になった輸入米が25年に前年比95倍も増えた。飼料米などの作付けが主食用米に移った。さらに消費パターンも割高な米からパンや麺類にシフトした。
 要因が複合的なため、農水省の需給見通しは何回も修正を重ねている。来年6月末の民間在庫見通しは、当初221万~234万㌧だったのが、263万~281万㌧に膨れ上がる可能性があり、適正水準の180万~200万㌧を大きく上回る。もはや「逆米騒動」の様相だ。
 ただ、少し長い時間軸でみれば、米の需給はほぼ均衡しており、20年以降・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます