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経済

ラピダス「キーマン喪失」で漂う暗雲

「2ナノ量産」は実現するのか

2026年9月号

 いくつもの難所をくぐり抜け、ついに雲の切れ間からそそり立つ山頂が見えた。「さあ、残すは最後のアタックだ」。そう気勢を上げる登山隊のメンバーを横目に、経験豊かな道先案内人のシェルパが突然、下山する―。
 超微細な2ナノメートル(ナノは10億分の1)のロジック半導体の量産開始まであと1年に迫った国産半導体会社ラピダスの現状を、難関の冬山登山に例えるなら、さながらこうした光景だろう。実務を支えてきた政府中枢のキーマンがその座を去った。
 日本の半導体政策を取り仕切る経済産業省商務情報政策局長だった野原諭氏(59)である。2021年10月に就任してほぼ5年務め、8月7日付で中小企業庁長官に昇格した。中央省庁の局長任期は1~2年が通例。霞が関のルールを曲げてまで在任し続けたのは、ラピダスの生みの親であり、「余人をもって代え難い人物」(ラピダス関係者)だったからとされる。
 ラピダスプロジェクトの起点は20年にさかのぼる。米IBMが自ら設計開発した2ナノ半導体を量産してくれる企業はないかと日本側に持ちかけてきたのが、始まりだった。日本のロジック半導体産業は1990年・・・

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