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経済

官民ファンド 「JIC」の厚顔無恥

利益相反丸出しの「東電ディール」

2026年9月号

 官民ファンドの「産業革新投資機構(JIC)」。この名前が今、投資銀行業界でホットイシューとなっている。M&A隆盛の時代とはいえ、数少ない兆円単位の超ビッグディール二つに絡んでいるからだ。だがその評判は決して芳しいものではない。
「厚顔無恥とはこのことだろう」。ある大手素材メーカー幹部はJICをこう批判する。批判の的になっているのは、JICによる半導体材料大手JSRの売却案件だ。
 JICは投資先のJSRの売却交渉を水面下で複数企業と進めている。声がかかったのは三菱ケミカルグループや富士フイルムホールディングス、住友化学、レゾナック・ホールディングス、旭化成といった大手素材メーカーだ。
 ところがその条件はとんでもないものだった。打診を受けた複数の買い手候補の関係者らは「最低でも1・5兆円で入札するよう要請された」と証言する。「果たして1兆円の価値があるかも怪しいのにとんでもない」(素材大手首脳)と憤慨する。
 フォトレジスト(感光材)と呼ばれる半導体材料で世界トップシェアを誇るJSRを9千億円超で買収するとJICが発表したのが3年前。実際にTO・・・

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